わき見運転による通学路の交通事故

 2006年9月、埼玉県川口市の市道で散歩中の園児の列にワゴン車が突っ込み、園児ら21人が死傷した。
 容疑者は、業務上過失致死傷罪で起訴された。
 起訴状によると、容疑者は助手席にあった携帯型カセットプレーヤーを操作し、右手だけでハンドルを握り、脇見運転のまま時速50~55キロで走行。前方左側を歩いていた保育園児らの列に突っ込み、園児4人を死亡させ、17人に重軽傷を負わせたということである。
 これだけの犠牲者が出た事故で、あまりにも軽い刑と思わざるを得ない。
 しかも、この容疑者はそれ以前にもわき見運転で物損事故を起こしていたということである。
 亡くなられた園児の親の気持ちを思うと、やりきれない。
 しかし、このような事故は決して稀な事故ではない。
 警察庁の18年度の統計データによると、死亡事故の法令違反の種類別にみると、漫然運転、脇見運転、運転操作の順で、上位を占めている。
 実際車を運転していると、携帯電話を耳に当てながら、交差点を曲がっていく車を見かけることはよくある。
 また、私自身、カーナビを見ながら車を運転していて、はっとした経験がある。
 車を運転するものとして、脇見運転による事故の加害者となるかもしれないことを十分自覚して運転する必要がある。
 もちろん、運転者の自覚にたよるだけでなく、道路自体を事故が起きないような構造にすることや、子どもたちの通学時間帯における車両の通行止めなど、安全対策として地域で行うべきことは多い。