子どもの居場所づくり

子どもの通学路には犯罪の起こりやすいと考えられるところがいくつもあって、そのことを子どもたち自身が自ら意識できるよう地域安全マップ作りがさかんに行われるようになってきました。
このことは、子どもの安全を守る意味で非常に重要なことですが、一方で危険な場所がいたるところにある中、こどもは一体どこで遊んだらいいのだろうか、居場所がなくなってきているのではないだろうか、そのことは地域との接触機会も少なくなり子どもの健全な成長にも影響を与える事にならないだろうかという心配も出てきます。
危険な場所とされる「入りやすくて、見えにくいところ」の一つに公園があります。
公園の中にこどもたちが楽しく遊べるようにとつくった小山も、みえにくい場所を作る結果となり、あの公園は危険な場所だから行かない方がいいということになってしまいます。
一人では遊ばないと言っても、二人なら安全ということではないし、親としてはこどもをそとで遊ばせることは心配の種です。
こんな背景を踏まえてでしょうか、文部科学省も「地域教育力再生プラン」として、こどもの居場所づくりを進めているようです。
具体的には、子ども居場所づくりとして「市町村レベルにコーディネーター等を配置し、親に対する参加の呼びかけや学校や関係機関・団体との連携協力による人材の確保・登録を行うほか,登録された人材を子どもの居場所へ配置する。」というような内容になっています。
私たちのつくば市では、この事に関してどんな活動がされているのでしょうか、よく分かりませんが、スまっぷでも子どもたちの遊び空間がどういう状況になっているのか、機会があれば取り上げてみたいと思います。

並木高校が昨年度調べた危険箇所データが公開されました

県立並木高等学校は、今月11日昨年度の通学路における危険箇所データを、”スまっぷ”を利用して公開しました。
公開されたデータは、交通事故の危険性のある場所、声かけなど犯罪の危険性のある場所の二種類です。
交通事故や犯罪は必ずしも同じ場所で起きるとは限りませんが、交通事故が起こりやすい場所、また、高校生をターゲットに声をかけてくる場所がどんなところか、犯罪に巻き込まれないようにするにはどんなところに注意すべきかなど、参考にできることは多いと思います。
是非、そんな意味で活用して欲しいと思います。
今回、並木高校では初めてスまっぷを利用していただきましたが、課題も出てきました。
並木高校は地域の小中学校に比べて通学路の範囲が広く、生徒はつくば市だけでなくとなりの土浦市、牛久市からも通ってきています。
しかし、スまっぷで登録できる範囲は、つくば市に限られていますので、登録できなかったデータもありました。
今後は土浦市や牛久市など、より広い範囲をスまっぷがサポートできるようにする必要があると考えます。

安全ワークショップのご報告

昨日、国土地理院で”安全ワークショップ”が開催され、私たちが進めているスまっぷについても、ご紹介する機会を得ました。
ワークショップは大変盛況で、会場の外にもあふれるほどの参加者で、改めて子どもたちの安全に関する地域の関心の高さを感じました。
私がワークショップの中で特に関心を持ったのは、講演された立正大学の小宮先生のお話でした。
小宮先生は、これまでにもいろいろなところで地域安全マップの作成の考え方について講演されていますが、子どもたちにとって危険な場所というのは、「入りやすく見えにくいところ」ということをおっしゃっています。
そのような意識で、実際に通学路を歩いて、そのような危険な場所を地域安全マップとしてまとめるという考え方が重要ということです。
なんとなく、当たり前のように聞こえますが、小宮先生のお話では、実際に作成されている地域安全マップには、不審者マップや犯罪マップなどのように、場所ではなく、人に注目して作成されているものも多く見られ、特に、不審者というのは、子どもたちにも地域の人を不審な目でみることを強要するようなもので、教育的な見地からも全く意味の無いものであるとのことです。
今私たちが進めている安全マップ”スまっぷ”も、そのような失敗をしているのではないか、もう一度見直したいと思います。

”スまっぷ”を改良して、見やすくしました

PTAからの要望もあり、”スまっぷ”を改良して見やすくしました。
改良した主な点を列挙いたします。
①広域の地図表示をしたとき、詳細道路等を表示しないようにしました。
 これまで、画面上で地図を縮小して広域を表示したときに、細かい道路等が表示されるため、地図全体がごちゃごちゃして見難いという声がありました。
このため、地図の縮尺を小さくしたとき、表示する地図の内容を制御して、詳細道路や地番などを表示しないようにするなどして見やすくしました。
②シンボルのサイズを大小選択できるようしました
 通学路の危険箇所のデータが、ある場所にかたまって登録されているばあい、シンボルが大きすぎて地図が見えなくなり、場所の確認がよくできないという声がありました。
 このため、表示シンボルを大小選べるようにして、シンボルが重なっているところでは、小さいシンボルを選択する事で見やすくできるようにしました。
③危険箇所のラベル表示/非表示の機能を追加しました
 これまで、危険箇所ごとにラベル(見出し)を表示していましたが、地図の広域表示をすると字が重なって見づらかったため、ラベルを表示するかどうか、見る人が選択できるようにしました。
④注釈の文字を整理しました
 つくば駅や新しいショッピングセンターなどを追加すると同時に、これまで、研究所や大学の名称が、敷地内に複数表示され見づらかったのを、名称の表示数を減らすことで、見やすくしました。
⑤つくば公園通りを地図に入れました。
 松見公園から赤塚公園まで走っているつくば公園通り(ペデストリアン)を地図上に表示するようにし、場所の特定をしやすくしました。
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