昨日17日、滋賀県の長浜市で、幼稚園児の母親が近所の同じ幼稚園に通う二人の子どもを一緒に車で送る途中殺害するという事件が起きました。
これでは、もはや子どもを守るどんな方法も無力ではないかと暗澹たる気持ちになってしまいます。
報道されていることによると、おそらく殺害した母親の精神的な問題であるということですが、以前にも似たような事件があったことを思い出します。
あらためて、子どもたちはいつもあらゆる危険性にさらされているということを思い知らされました。
社会の安心して暮らせる度合いを、もし数値化することができたとしたら、今の社会、その数値は確実に低下しているように思います。
安心して暮らせるような社会の評価指数は、その社会に住む人々の価値観と地域社会力によって表現されるのではないでしょうか。
価値観については、人々が多様性をどれだけ認められるか、あるいは受け入れられるかです。自分とは違う価値観を持つ人がいるときに、それを受け入れようとすることは、結果として他人を思いやる気持ちを持つことができると考えるからです。
もっと平たく言うと、他人の気持ちが分かるということが、安全な社会を構成するための必要条件だと思うのです。
地域社会力とは、地域の結束力と言ってもいいと思います。地域の安全は一人の力では無力に近く、地域全体の相互協力関係による力が不可欠と思います。
具体的に言うと、学校とPTA、保護者の関係、行政と学校、学校と地域企業、学校とボランティアなど、あらゆる関係が強くなることによって、犯罪を防止したり、危険を回避できる力になるということです。
実際には、これらの要素を数値化することは難しいと思いますが、子どもを守る基本的な考え方として、もう一度これらの関係を検証してみる必要があるのはないでしょうか。
そんなことを考えながら、滋賀県長浜市とはどんなところか、滋賀県の統計データなどを見てみました。
長浜市は、滋賀県の北部に位置し、経済的には農業人口の割合が高く、事件の起きた場所の航空写真を見ると比較的水田の面積が多く見られます。子どもたちにとっては、環境は良いように思います。
犯罪の発生状況については、滋賀県の市町村の中では平成17年度犯罪率が3位となっていて、周辺の市町村より犯罪率は高いようですが、その多くは車や自転車などの窃盗が占めています。
今回の事件に関するいくつかのBlog記事を見てみました。グループ登園についての記事がいくつかあり、園児の母親にグループ登園への協力を強制するようなことがなかったかのか気になるという記事がありました。
これらのことから、今回の事件と地域の安全度との関係を直接見出すことはできそうもありませんが、地域社会と安全という視点から今回の事件の原因追究は必要なことではないでしょうか。