一般的に、
リスクコントロールとは、想定されるリスクができる限りおきないようにコントロールすることであり、
クライシスマネジメントとは、実際にそのリスクが起きようとしている時、あるいは、起きてしまった場合にどうするかをあらかじめ決めておいて、被害を最小限にすることを意味している。
このような二つの考え方に照らして、”スまっぷ”をどのように利用すればよいかについて考えてみた。
通学路の危険な箇所について、子どもや先生、保護者が一緒になって調査し、その場所を地図に記載して情報を地域みんなで共有するという意味は、子どもたちが、通学路の危険な箇所を通るときには、それなりに注意して通るということにつながり、地域の人々も子どもたちがそこを通るときには、できるだけ注意して見守るということが期待されるので、子どもが被害に合うことをできるだけ防ぐという効果を期待するということである。
このことは、まさにリスクコントロールを意味している。
これに対して、”スまっぷ”の緊急連絡システムは、まさに今、不審者が子どもを狙ってうろうろしているという場合、すぐに保護者の携帯にその情報をメールで連絡し、保護者はその情報を受け取ってすぐに、自分の子どもや周囲の子どもを守るアクションをとるということになる。
これは、被害が起きようとしている場合の、クライシスマネジメントを意味している。
実は、この二つのことは、区別して捉えるべきと思っている。
”スまっぷ”は電子地図を使って、情報を共有する仕組みであるが、リスクコントロールという意味では、紙に印刷した地図に危険な場所を書き込んで、関係者に配布する。また、定期的に情報を更新し、1年に数回新しい情報を提供するということでも対応できるかもしれない。
しかし、クライシスマネジメントのように、まさに、今何らかのアクションが必要とされているときには、その方法では情報伝達に時間がかかりすぎ、対応が遅れる可能性が出てくる。
この場合、情報を直ちに関係者に連絡する、しかも、その場所を正確に伝達するという意味で、ITの利用は欠かせない。
保護者の中には、なぜ電子地図を利用した仕組みが必要なのか、紙の地図でも十分ではないかと思ってる方もいらっしゃると思う。
是非、従来型の紙による伝達方法では対応できない場合もあることを理解して欲しい。