通学路の危険箇所情報を公開するためのルールについて

”スまっぷ”を地域で利用していただこうと、地域の防犯に関するボランティア活動しておられる方に働きかけてみました。
しかし、意外にも、危険箇所情報をインターネット上で誰でも見られるようにすることは、逆にそれを犯罪に利用される可能性もあるのではないかということで、利用については否定的な意見が返ってきました。
確かに、その可能性がないとは言い切れません。
いくつかの県では、既に、不審者情報をインターネット上で公開していますが、その情報が逆に犯罪に利用される可能性について、どのように判断しているのでしょうか。そのことについて、ネット上で調べてみましたが、明確な判断基準というようなものは見当たりませんでした。
”スまっぷ”では、特定の利用者の間でのみ情報を共有する機能を持っていますので、不特定多数に閲覧されることを防ぐことが可能ですし、また、地域の一般住民に対して情報を公開することも可能です。
ただ、その判断はシステム利用者に委ねています。
情報が公開され、地域で共有されたからといって、子どもたちの安全が守られるわけではありません。その情報を受けた人々が、どのように行動するかが問題なのです。
何も行動しないのであれば、情報は無くても同じことです。
情報公開は、情報を受けて行動することが前提なのです。
行動するために、その情報が必要かどうかが、判断基準になると思うのです。
子どもたちの安全を守るための行動を開始するとき、どこにどのような危険な状況があるかを知ることは必要不可欠なことではないでしょうか。
いずれにしても、何らかの合意できるルール作りが必要なようです。

子どもの安全 オーストラリアの場合

今回は、オーストラリアに住む日本人の主婦が書かれた記事です。
「・・・通学路で、子供達が道を横断しないといけない場所には、必ず「ロリーポップマン(キャンディーマン(?))」という、ボランティアの人達が、オレンジ色の目印と、白いユニフォームを着て、子供達の道の横断を見守ります。このロリーポップマン各学校が、出しているので、だいたい学校が始まる時間と、終わる時間には、どの横断歩道にもロリーポップマンがいます。そして、生徒達がその場所に来ると、オレンジ色の標識を持って、横断歩道の中央まで行き、「生徒がわたります」と記されたその標識を掲げ、車を止めるわけです。 」(引用)
 この記事では、オーストラリアではボランティアが地域社会の中で、子どもたちの安全を守るための一定の役割を担っていることが分かります。
このボランティア「ロリーポップマン」は、各学校が出しているということですが、どのような人達によって構成されているのかはよく分かりません。
 日本でも、最近は時間が割りに自由なお年寄りに、通学路の子どもたちのサポートをお願いしているという記事もよく目にするようになりました。これと似た制度なのでしょうか。
 そう言えば、昔小学校の近くの横断歩道には、毎日かならず「みどりのおばさん」が立っていて、子どもたちと朝挨拶を交わす姿が思い出されました。
 警察庁のまとめによると、現在の防犯ボランティア団体は全国に約1万4000あり、平成15年に比べて約4.6倍に増え、団体を構成する構成員別では、町内会・自治会員による団体が約半数(7,141団体、51.1%)を占めるほか、平成15年末現在に比べると、子どもの保護者による団体の把握が急増(1,969団体、18.4倍)しているということです。
 防犯ボランティア情報は、防犯ボランティア支援サイトで見ることができます。

子どもの安全に関するイギリス事情の記事紹介

子どもの安全に関して、先進国と言われるアメリカやイギリスでは、どのような対応をしているのかなど、気になりましたので、ネットで記事を探して見ました。
イギリスに住む日本人主婦の記事:イギリスの子どもの危機管理の現状を見つけることができましたので、ご紹介します。
この記事を書かれた主婦は、イギリスのロンドンに住んでいらっしゃるとのことですが、ロンドンは日本ほど安全ではないということで、比較的治安がよいといわれる地域でも犯罪は日常的に起きているようです。
こどもの安全に関しては、基本的にその親に責任があるということで、「小学校3年生にあがるまで責任のある大人(通常14歳以上)が、 小学生の送り迎えをしなければいけない所です。朝も、晩も毎日です。朝は先生が校庭まで出てきて、申し送りをするまで、帰りは、先生が保護者が迎えに来ていること を、ひとりひとり確認して、やっと教室から出してもらえます。」(引用)ということです。
日本とイギリスの治安の状態がかなり違うようですので、日本に住む我々にとっては、毎日の送り迎えは大変だと思いますが、日本でも治安がさらに悪化すれば、イギリスと同じような対応を迫られるかもしれません。
そうならないようにするには、地域の連携はますます重要になると思いました。

スクールバスが本当にベストな問題解決策?

アメリカでは、小学校の登下校にスクールバスを使うのはごく一般的なことなそうです。子供の通学路での安全を確保するためには、日本でもこのスクールバスを使うべきという意見が多いように思います。
>下校時の学童の安全はスクールバスを考慮すればいいのでは
でも、本当にスクールバスがベストな解決策なのでしょうか?
アメリカと日本では、通学事情も違います。学校までの距離がアメリカほど遠くないところで、スクールバスを運行するが本当に可能なのかどうか、その費用も大変だと思いますし、また、これまで、子供たちが、集団で登下校している通学路で、子供たちを見守る地域の人たちとの挨拶を交わしたり、田舎であれば、途中の田んぼのおたまじゃくしや昆虫などの発見もあったりして、それが子供が成長する上での重要な意味を持つこともあるかもしれません。そのような機会を奪ってしまうというようなマイナス面も考慮すべきではないでしょうか。
子供たちがスクールバスを使わなくても、安心して通学できる街づくりをどうしたら実現できるか、そこから考えるべきと思います。

子どもがつくった安全マップを地域で共有できないでしょうか

子どもたちが自ら通学路の安全マップを作成している事例が各地で報告されています。
子どもたちが安全マップづくりを通して、どこにどのような危険があるのかを自ら体験的に調べることで、安全に対する能動的な対応力が養成できることや、調べた結果を安全マップづくりを通してクラスの友達や、先生、親と情報共有することで、地域全体としての安全対策にも繋がるなどが期待されます。
実際に作成された安全マップで、子どもたちがみつけた危険箇所とは、どんなところなのでしょうか?
インターネットに公開されている子どもたちによる安全マップを探して見ましたが、なかなか見つかりませんでした。
暗いところ、見通しが悪いところなど、子どもたちが危険と感じる場所はいろいろとあると思いますが、大人の目線ではわからないところもあるかもしれません。
公開は難しいのでしょうか?

子どもの「死角」

子どもの行動範囲の中の「死角」
この言葉の意味は、「子どもが一人きりになる時間と場所」ということである。学校に行くようになったら、通学路でも遊びの場でも、絶対に一人きりになってしまう場所がある。さらに、自宅の前で遊んでいるとしても、見守る大人の目がなければそこは「死角」になるのだ。
              ・・・日経BP特集「凶悪犯罪からこどもを守れ」より
子を持つ親として、この「こども死角」については十分把握しておく事が大切だと思います。こどもが誘拐されるのは、こどもがこの死角に入った一蹴に起きるからです。
一度“スまっぷ”を利用して、お子さんの通学路の地図を印刷して、そこにご自分のお子さんが死角になるところを鉛筆でマーキングしてみてください。
まず、このこどもの死角を把握することから、はじめましょう。
 

PTAの電話連絡網は連絡に時間がかかる、しかも正確に伝わらない?

前回ご紹介した学校たんけん隊のページにある掲示板から、こんな記事をみつけました。
PTAの電話連絡網に関することです。
これによると、電話連絡網では、情報が全部に伝わるのに時間がかかる。情報が正確に伝わらない。などの問題があるということです。
“スまっぷ”では、このような問題解決の一助として、危険箇所を地図に登録すると、自動的にあらかじめ登録してある携帯メールに緊急連絡メールを送信する仕組みがあります。
是非、参考にしていただきたいと思います。
学校たんけん隊のページより
[2003.09]
● 電話連絡網を回すとすごく時間がかかる。毎回17時に回し始めて終わるのは22時。不在の人が多くて、連絡網というより、役員が1件ずつ電話している感じ。
● 仕事などで親がいない家庭は子どもが回します。ただし正確に伝わってるかどうかは疑問(笑)。
 流しっぱなしなので、最後まで伝わってるかも???です。「歓送迎会に来てください」「明日は授業参観です」とくだらない内容ばかり。回す必要ないものは、回さなくていい!
● 1列8人分全部電話します。で、留守電のところは、留守電に録音、ケータイ知ってるところは、携帯メル。すご~く近所の家にはメモをいれました。それで通じない家はその旨学級委員に報告。
● ホントの緊急以外に電話連絡網は使いません。不審者が出たとか台風で休校とかぐらい?なので、年に1~2回ぐらいです。不在者はどんどん飛ばすので、時間にして10分くらい。10分すぎて戻らない列は、列の最後から電話を回します。不在の家には、列の直前の人が再度連絡したり、学級委員さん預かりになったりです。
● 不審者情報を連絡網で回したら、「そういう情報は不要です!忙しいのにいちいち電話を回さないで下さい!」と怒鳴られた・・・。電話をするたびにドキドキする。そういう人もいるので、全員に回す必要あるのかな~と思っている。
● 電話連絡網で、伝言ゲームになったことがあります。なのでメールのほうがありがたい。
● メール連絡にすれば、学校がメアド登録者に一斉送信すればOKなのに。BCCにすればメアドが漏れることもない。メールがない、したくないという人のみ電話連絡網にすればいい。
● メールで連絡し合うとなると、アドレスの交換作業が必要なので大変かも。
● メール登録した人は電話連絡なし。メールチェックは自己責任。だとみんな納得するかな~。

ちょっと参考になるWebサイト

こどもの通学路の安全に関連する記事を探していたら、こんなページを見つけました。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~tanken/danger/dad-way.htm
学校たんけん隊という名前のWebサイトの中のページです。
たぶん、小学校に通うお子さんのお母さんが記事を書かれているのだと思います。
お母さんが、下校時の安全当番の日、お子さんが道草をして別のルートで帰ってしまいあわててしまったというような記事は、読んでいてつい笑ってしまいそうな記事だけど、世の中ここまで心配しなければならない状況かと思うと、やっぱり深刻な気持ちになります。

子どもたちの通学路がどうしてこんなに脅かされるようになったのか

昨年の広島の事件、栃木の事件、いずれも幼い子どもが通学路で誘拐され命が奪われるという最悪の結末となってしまいました。
この事件以外にも、子どもたちが通学路で誘拐されそうになったというようなことまで含めると、全国各地で子どもたちが危険に脅かされていると言わざるを得ません。
日本は、世界の中でも安全で安心できる国ではなかったのではないでしょうか。
日本の何かが失われている。これまでに大切にしていた何か。しかし、それが失われていることすらはっきりと認識できないくらいにじわじわと。しかも、その傾向は次第に大きくなっている。
かつて、子どもたちは、学校帰りによく道草をしました。
ランドセルを道端に放り投げて夕方遅くまで遊び、親に叱られたこともありました。
通りかかった近所の大人は、子どもたちに早く帰りなさいと声をかけることも日常的な普通のことでした。
今、子どもたちは集団で登下校、怪しい人に声をかけられたら、急いで逃げなさい
と指導を受けています。
安心して暮らせる私たちのまちの環境が失われているのです。
どうしてなんでしょう。
隣に住む者同士ですら、お互いに日常的に対話することも少なくなり、家の前の通学路を通う子どもたちの顔をみても、ご近所の子かどうかも分からず、子どもたちにとっても、知らない人は、すなわち怪しい人であり、知っている人でも怪しい人かもしれないのです。
まさに、コミュニティの崩壊が、子どもたちの安全をも危うくしていると言っても過言ではないと思うのです。
どうすれば解決できるのでしょうか、それは一朝一夕には解決できない難しい問題です。でも、そのことから見直さなければ、本当の解決にはならないのではないでしょうか。
平成16年度、内閣府の都市再生モデル調査事業「子供たちの通学路から発見した地域情報にもとづくコミュニティの活性化プラン」として、TX沿線におけるIT活用による街づくりを推進する組織・つくばスマートコリドール構想推進協議会(つくば市を含むTX沿線市町村,茨城県,および民間企業で組織する協議会)は、通学路での危険箇所等の“まち情報”を子供たちと学校、家庭、地域住民とが共有することで、地域コミュニティの活性化を促し、通学路を含めた街の安全確保に結びつくことの可能性について,実証的に調査しました。
このブログに皆さんからのご意見(コメント)を頂きたいと思います。

子ども防犯テキストが警察庁のホームページからダウンロードできます

警察庁のホームページより、生活安全の確保のサイトを開くと、子ども防犯テキスト「みんなで気をつけようね」がダウンロードできます。
http://www.npa.go.jp/safetylife/seiankis8/text.pdf
平成15年5月の掲載ですので、ちょっと古いかもしれませんが、基本的な防犯知識としてもう一度、見ておいてもいいのではないでしょうか。
この中で、家族で守る我が家のルールなど防犯指導・防犯対策についての記述を取り出してみました。
○ 一人で遊ばない
○ 外出時には必ず「行き先」を言う
○ 何かあったら大声で助けを呼ぶ
○ 何かあったら必ず言う
○ 不審者に声をかけられた時に逃げ込む「子ども110番の家」の場所を確認しておく
○ 町の中にある人通りの少ない場所、危険な場所を確認しておく
○ 一人で遊んでいるお子さん、遅くまで遊んでいるお子さんへの「ひと声」
○ お子さんから、不審者に関する情報を得た場合の最寄りの「警察署」「交番」への連絡
○ 学校関係者は、電話などでの児童の呼び出しに注意
○ 集団による登下校の推奨
○ 万が一のとき、生徒を避難させる、異変を周囲に知らせ警察に通報する、児童への危害を防衛する処置をとる
この中で、子ども110番の家の場所や、町の中の人通りの少ない場所、危険な場所については、“スまっぷ”を利用することで情報を共有することができます。
是非、活用してください。